初めて見るまつりはワクワクするもので、特に遠くから聞こえてくる短調のお囃子が“違う町にいる”実感をもたらしてくれた。夕暮れ時、直接中心街に向かおうと思っていたが、これまでお参りに行っていなかったこともあり、ご挨拶代わりに下日枝神社へ。社殿ではちょうど、神事が行われていた。
社殿の中では、裃を着た人たちがお祓いを受けていた。おそらく御神体にお出ましいただく儀式だろう。しかし不思議なのは、観光客がまったくといってもいいほどいないこと。そもそもどんな観光案内を見ても、この時間ここで、こんなに重要なことが行われているなんて、どこにも書いていない。
裃を着た氏子たちは、笛、神官、高張提灯に引き連れられ、境内を出て、NKエージェント前を通り、日吉町の坂を下る。日吉町から中心街にかけては、信じられないほど多くの露店が出るため、酒田の人たちにとっての酒田まつりは、この露店が目当てらしい。結果として、山王まつり以来の神事の多くに日が当たっていない。それを証明するかのように、裃の隊列はまつり客の注目を浴びていないどころか、邪魔者扱いすらされていた…。
日が落ちると、町はいっそうにぎわいを増した。まつりにつきもののステージイベントがには目もくれず(正しい判断かどうかはわからない)、本来の山王まつりの姿を探して歩く。ふと、出会ったのがこの神輿。ほう、こんな神輿も出るんだと思っていたら、「何してんの?」の声。誰かと思えば、よーすけさん!ひさしぶり!お互いに酒田にいるわけを話しつつ、この八波会の神輿の由来について教えていただく。2台しか出ない神輿の担ぎ手なのね。さすが、よーすけさん。
そして400年の区切りを飾る立て山鉾の登場(高さ20m!)。明治39年以来の登場となる。明日の本祭りでは、この山鉾が町中を練り歩く。
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