NKエージェントまでの短い散歩の帰り道、酒田倉庫に寄ってみたくなった。
酒田のアパート探しをしていた頃から、貨物線の引き込まれた先に巨大な建築群があることにはGoogleマップで気付いていたが、数日前にそれが国営の農業倉庫だったことを知った。
酒田倉庫は、大正15年に建築された農業倉庫で、JRの貨物線が倉庫群の間に引き込まれている。当時〜戦後にかけての日本の食糧事情を想像すれば、この倉庫の役割はとても大きなものだったのだろう。
酒田には明治時代に建てられ、今では観光地として有名になった山居倉庫があるが、それとはまた違う、独特の趣があった。
…柔らかいRCの肌、所々に効いた曲線、リズミカルな構成、足まわりの鮮やかな緑、…なぜか、スカルパのブリオン・ヴェガを思い起こしてしまった。
→酒田倉庫の写真は、ヨッキれんさんのサイトが充実しているので、こちらもぜひ。
実は現在、この酒田倉庫は売りに出されている。何の変哲もない、いらなくなった庁舎たちとともに。
仙台では、旧仙台政府倉庫の保存運動が間に合わなかった歴史があるが、酒田倉庫の価値はいかに。少なくとも、僕の直感的では「残るべき建築」だと思った。
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