このたび酒田で、「誰にでも気軽に参加できるまちづくり」の実現を目指すアーバンネット型の「まちとつながろう!」プロジェクトを学生たちと一緒に始動。酒田市公益活動支援補助金の審査会に臨みました。
結果は、無事合格。合格団体が多かったので、満額をいただけるかどうかは、今後決まるそうです。
以下、苦言(提言)。
これまでいくつもの助成事業に参加したり、専門家としてリサーチしたりしていますが、酒田の現状にちょっと違和感を感じました。
■補助金事業と助成金事業の性格を明確にすべき
公共サービスを外部化する性格の事業と、市民活動を支援する性格の事業がごちゃまぜになっている印象がありました。「公益活動補助金」という名称自体にも違和感がありますが、受け手側に「市民活動は行政が補助すべきもの」という誤解を与えるようでは、町は成長しません。
■ベテラン団体が活動の継続資金を獲得に来ている
新たな活動を展開するのではなく、従来の活動を継続するための資金調達を狙っている団体が多く見受けられました。1つには、きちんと事業が独り立ちできるような教育的誘導をしてこなかったことがあるのでしょう。もう1つには、過去の支援成果から行政が自らのサービスとして提供したり積極支援したりすべきものをピックアップできるはずなのですが、これが行われず、いまだにこの制度で支援しているという事実です。いずれにしても、こういったものを支援し続けている限りは、新たな小さなシーズが育ちにくくなってしまいます。
■ビジネスアイデアコンペ風な雰囲気もある
悪いことではないのですが、「○○を提案します」みたいなノリに寛容すぎるような印象を受けました。しかも、起業家支援の審査会であれば、計画性が低く、全く勝ち残れないタイプのものです。まるで「事業性が低い」ことが「営利目的ではない」ことの高評価につながっているような、おかしな価値観が形成されているようでした。
■公開審査の公開性を果たし切れていない
今回は市民審査員も含め、5名の方が審査に携わりましたが、氏名や所属が公表されませんでした。全くもって、公開審査である意味を失っています。各団体の申請書類が来場者に配付されなかったのも、異常に感じられました。
悪いことばかりではなく、良い印象も1つ。
前述の通り、合格団体が多く(15団体すべてが合格!)、予算の関係でそれぞれへの助成額が削られることになったのですが、その決定額の根拠を100点満点で付けられた点数によらず、合格は合格であるとした事務局の対応には好印象を受けました。ただし、すでに提出された申請書類(審査員と事務局しか持っていない書類)を精査して助成額を決定するとのことですので、やはり公開性は低いですね。
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